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2004.11.16

リーディングカンパニーvol3

夕方からはなべさんと別れて今回のメインイベントのリーディングカンパニーを見るために両国の江戸東京博物館へ移動。大沢オフィス所属の大沢在昌、宮部みゆき、京極夏彦の3名の人気ミステリ作家による自著朗読会は今年で3回目で私が見るのは前回に続いて2度目です。
しかも収益は毎年すべて寄付されているチャリティーイベントなんですよ。
そういえばとうとう3人とも直木賞作家になっちゃいましたね。
現在、江戸東京博物館では「大(OH!)水木しげる展」が開催中なのでこっちも見る予定だったのですがじっくり展示を見るにはちょっと微妙な時間だったので翌日再度訪れることに。演目の作品が掲載された公演パンフレットと前回朗読会のCDを購入して着席。後方の列でしたが会場自体が小さいので距離は結構近い。
朗読会の前半は3人それぞれが自作を朗読。
後半は3人そろって一つの作品を朗読するという2部構成。
開演前のアナウンスは京極さんの声でした。

第一部、最初に出てきたのは宮部さん。
宮部さん作、黒鉄ヒロシさん作画の絵本「ぱんぷくりん」の中の「ふるさとに帰った竜」というお話。青い竜と少女の話です。前回うさぎの着ぐるみだった宮部さん、今度はどうくるか…?と思ってたら生ピアノのBGMにバックは大きなスライドで黒鉄さんの絵。しかも朗読の途中から宮部さんがかわいらしい青い竜のパペットを装着。かなり凝ってます。しかもいいお話♪

京極さんは「巷説百物語」の「帷子峠」を一部抜粋で。
巷説シリーズはまだ全部読んでないけどこの話は文庫になってるので今年たまたま読んでました。愛する人が死んでも腐っても愛情が冷めることなく死体に頬ずりする(!)お侍さんへ語りかける必殺仕事人的な役割の又一のセリフを京極さんの声で聞くとなんかずしんと響きます。
又一の「御行し奉る(おんぎょうしたてまつる)」のキメ台詞も!

大沢さんは朗読会3回目にしてファン待望の新宿鮫のサイドストーリーでしかも書き下ろし。ヤクザの業界用語がバンバン出てくるけど説明がなくても文脈でどういう意味なのかちゃんと想像できるようになってました。話が終わったと思いきや最後の最後で2度目のどんでん返しがあってさすがです。

第二部は今まで静かにじっと聞き入っていた客席も3人の掛け合いで笑い声が思わず出てしまうという毎回とても楽しい雰囲気。今回は宮部さんの「ステップ・ファザー・ステップ」のなかの「トラブル・トラベラー」という短編。
この本は読んでいたのにずいぶん前だったせいで「トラブル・トラベラー」の内容をすっかり忘れてしまっていました。
でも忘れていたおかげで思い切り楽しませてもらいました。
だって話の舞台が「くらしき」なんです。
とはいっても倉敷ではなく関東のはずれにあるさびれた架空の町、暮志木。そこの町長さんが町おこしのために有名な観光地のコピーを作ることから起こる騒動の話なんです。出てくる名前も「小原美術館」だの「すずめむら」だの「ままがり」だの(ままがりは寿司飯の上にガリが乗ってるだけなんだって!)パクリ方にも気合が入っていて(笑)、倉敷駅と美観地区と市役所の位置関係と同じ所に役場を建設、なんていう文章があると正確にそれを思い浮かべることができてしまうので一緒にいた関東在住の同郷の友人と二人で顔を見合わせながら大笑い。
しかもメインの登場人物が親に見捨てられた双子の中学生と彼らが「お父さん」と呼ぶ親代わりの泥棒なんですが配役が

お父さん…大沢さん

これは納得。すると必然的に

双子の中学生…宮部さんと京極さん

となるわけで。
(双子のふたりはおそろいの目玉のオヤジが描かれたキャップをかぶっていました。)
京極さんがコドモの声色で喋ったとたんにどっと笑いが。しかも一つの文章を細かく区切って交互に喋り、時にはマナカナのようにユニゾンで喋るというかなり笑えるというか、周りにこんな人いたら本気でうっとうしいかもという大変な役でした。
宮部さんがこの話を書いた時期はずいぶん前だったんですがこれを今書いたら暮志木の町長さんはチボリ公園まで作らないといけないから大変だなあなんて終演後もいろいろ想像をふくらませていました。(すると名前は「チボレ公園」とか「チボル公園」とか???)
ぜひ地方公演をするときは倉敷で!!

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コメント

はじめまして。
このたびは、拙ブログにトラックバック、どうもありがとうございました。
記事を拝見しまして、あの日の楽しい記憶がよみがえりました。
私のつたない記事などよりも、ほんとうに生き生きと書かれていて、ひたすら恥じ入ってしまいました。
夜の回に行かれたのですか?私は昼の回でしたが、夜の方が〆のトークが長いのでしょうか…?

投稿: frou_frou | 2004.11.17 03:00

コメントどうもありがとうございます!
お褒めいただいて恐縮です(^^)
>〆のトーク
私は夜の部でした。両方見たわけではないので
どっちが長かったかまではわかりませんが夜の部は
黒鉄ヒロシさんがステージへ上がって少し
おしゃべりされていましたよ。
「朗読会といわずお芝居に挑戦すればいいのに」って
おっしゃって客席がわーっと拍手したりして。

投稿: ぺぱぐり | 2004.11.18 17:25

えっ、黒鉄さんもいらしたのですか?
まったく知らなかったです!
あー、やっぱり千秋楽のほうがいいのかな、
なんて思ってみたりします。
お芝居、実現したらなんとしても見たいところです!
でもお三方ともご多忙だから、難しそうですね。
情報ありがとうございました。
昼の回のトークでは、
「手づくり感あふれる舞台だよね」という話をされていました。
京極さんが「帷子辻」で座っていた木箱は、
わきからガムテープが見えているとか。鈴は自前とか。

投稿: frou_frou | 2004.11.18 22:21

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今日はとっても忙しい1日。 午前中のハナシは明日にでも書くとして、 午後のあたしは、両国は江戸東京博物館でお腹いっぱいでした。 (…というか、食べ切れなか... [続きを読む]

受信: 2004.11.16 23:38

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