映画「精神」
以前自民党のドブ板選挙っぷりを追いかけたドキュメンタリー映画「選挙」の舞台挨拶を見たときに、監督さんが今は岡山の精神科病院で撮影をしていてドキュメンタリーだからいつ完成するかはわからないんですけど、って言ってたんです。
その映画「精神」がついに完成して、既に東京では公開中です。
撮影の舞台となった岡山での公開初日に行ってきました。
精神科の病院でカメラを回して大丈夫なの?って感じですが
本人から了解が取れた人しか撮影してないそうで、だから全てモザイクなし。
(8~9割の方には断られたそうですが)
しょっぱなから衝撃的な映像がありまして、中盤にはもっともショッキングな告白をする女性もいます。こんなことを顔を隠さずに言っちゃっていいのかとびっくりしてしまいました。
当然面白い種類の映画ではありません。
でもこういう映画も必要なんだって思ったなあ。
赤ひげ的存在の山本先生のキャラがちょっとなごみポイントではあるんだけど。
健常者と精神を患ってる人の違いってなんだろうとか改めて思ったりしたし、欠落の無い人なんてこの世にはいないって言った患者さんの言葉が刺さりました。
あと見慣れた風景と方言があちこちに出てきますね。
病院の中でちょっと映りこんだカレンダーやチラシの類に地元ローカルな会社の名前を見つけてしまったりとか。
何気ないそんな風景も見どころといえば見どころかなあ。
公開初日は超満員で、館内にはスクリーンが2つあるのですが先に入場開始したスクリーンが満席になってしまい、2つ目の前から2列目になんとか座れましたが立ち見も多数いらっしゃいました。
上映終了後は監督と、山本先生だけでなく、映画の中に登場した患者さんも交えての座談会となりました(さすが地元だな)。
映画冒頭に登場した方は今では見違えるほどすっきりと痩せてめいっぱいのオシャレをして登壇されていて、薬の量が減ったことを山本先生と監督のおかげだとおっしゃっていました。
撮影当時は自暴自棄になっていたのでこのまま死ぬなら生きた証が残ればと思っていたんだそうです。
映画だけでなく登場された方のナマの声をいろいろ聴くことができて行ってみてよかったです。
時間いっぱいまでみなさんご自分の思いを時にはたどたどしくなりつつしっかり語ってくださいました。
時間の都合があってすぐ帰らなくちゃいけなかったために映画の本が買えなかったので
(ほんとはサインもほしかったけど)
また上映期間中に買いに行こうと思ってます。
岡山どころか日本中探してもこんな病院ないそうで、
(精神病の患者同士が会話するしね)
パラダイスのように思えるかもしれないけれど、病院には病院の悩みがあって決してパラダイスなんかではないんですよという言葉も印象的でした。
言ったの誰だったかな…?
そのへんは映画でも触れられていてちょっとした行政への批判もあるんですが。
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