« どうなる総選挙 | トップページ | タノシマナイトvol.7 »

2009.08.29

国立天文台 岡山天体物理観測所 2009年特別公開

以前から予告してたとおり、国立天文台岡山天体物理観測所の特別公開に行ってきました。

所内のあちこちでイベントをやってるのでなるべ全部回るようにイベント一覧のスケジュールとにらめっこ。

最寄駅から無料シャトルバスに乗って天文台に到着。
かなりの急な坂道ですが、途中、本格的なロードレーススタイルでぐいぐい自転車で登っていく人に遭遇。
まぁモンバントゥに比べりゃなんてことないかもしれませんが…

開場前から既に自家用車で来てた人たちの長蛇の列です。
Genkan

最初に工作コーナーで分光器作りにチャレンジ。
底に穴の開いた紙コップを受け取って特殊なフィルムを穴の上にぺたり。
反対側は蓋をして細いスリット状の穴を空けます。
Bunkou1

Bunkou2

そして底から覗くと可視光が7色に分解されて虹が見えちゃいます!


Tenji
ここの天文台の設立は1960年ということで、展示物も年季が入ってました。
この展示をちゃんと真面目に読んでたおかげで、このあとの反射望遠鏡見学での説明がちゃんと理解できました。

基本的に時間の決まったイベント以外の時間は展示物を見たりこのようなクイズラリーをしながら所内をぶらぶら。
Quiz

次に人数限定の188cm反射望遠鏡の反射鏡見学へ。
急な坂をヒーヒーいいながら登ります。
Saka

Dome

なんせ山奥なのでこんな看板もありました。実際に遭遇はしなかったけど…
Mamushi

筒の奥にある反射鏡を見るので上のほうに見えるドームの円周に沿った通路に行くことになります。
Nanayon1

あそこまで自力で登るのではなく、舞台装置のように床がぐーんと上昇!

Nanayon2

望遠鏡に手が触れるくらいの近さに。

Nanayon3

40人がドームの円周上に一列に並びました。

反射鏡をどうやって見るかというと、私たちが歩くのわけではなく、望遠鏡が動くのでもなく、なんとドームが回転します!

デジカメの動画機能を使ってみました。

行って帰ってくるので2回見ることができましたよ。

188cmということでハリーさんの身長よりさらに大きいんだ!

反射鏡はあっという間に埃や汚れが付着してしまうので年1回職員の方が鏡の洗浄とアルミニウム薄膜の蒸着をおこなってるそうです。
(蒸着と聞いて宇宙刑事を思い出すのは私だけではないはず)

これが蒸着のための装置。

Joucyaku

なんでも質問コーナーに行くと、新しい3.8m光学赤外線望遠鏡が少し離れた場所にできる!という内容のチラシがあったので(完成は2012年予定)職員さんに質問。

-もう作り始めたりしてるんですか?

「望遠鏡の骨組みは名古屋大学で製作が始まってますよ」

-へぇそうなんですか!

「鏡は京都大学と民間企業の共同製作で」

-すごいですねー!じゃあ建物はどこが作るんですか?

「いや、それはまだ予算がついてないので決まってないんです…」

冗談でなく本当にこう言われたので笑ってしまいました…
とりあえず肝心の望遠鏡は先に作ってるらしいです。
誰かぽんと寄付してあげてー。


こちらの小ぶりなドームには50cm反射望遠鏡があってガンマ線バーストの観測専用で普段は無人なんだそうです。
Minidome

Kizai1

Kizai2

ガンマ線バーストって私も初めて聞いたからあまり理解できてないんだけど名前のとおり爆発現象らしく、それを詳しく分析すると宇宙ができたばかりの時代のことがいろいろわかるとのこと。
ちなみに今年の4月に観測されたガンマ線バーストは130億光年だったそうでそれはつまり宇宙ができて6億年後に爆発した光を130億年後に見てるってこと。
気が遠くなる話ですね…

ガンマ線バーストが宇宙のどこかで起きているのを宇宙にいる人工衛星が見つけると情報が即座に送られてきて無人のドーム内の機械が動き出し、1分程度で望遠鏡がぐるんと回って記録するんだそうです。すげー!

その後メインの東京の国立天文台から来た先生の特別講演。
Kouen

場所はさっきも入った188cm望遠鏡のドームの中。
先生はハワイにあるすばる望遠鏡の製作に携わった方だそうで、大学院生時代にはここの188cm望遠鏡にもお世話になったんですと言ってました。
すばる望遠鏡製作の話はとにかくスケールがでかい!!
なんせ直径が8.2mもあるので!!

小さい鏡をたくさん組み合わせてから溶かしてくっつけて1枚になるように磨いたとか出来上がった鏡を運搬するのにアメリカのハイウェイを貸しきり状態にして鏡を入れた箱が3車線いっぱいぎりぎりになっちゃったとか。


他にびっくりしたのが、補償光学という技術の説明。
天体を観測してると、地球に光が届くときにどうしても大気の揺れによって対象がうまく撮影できなくてにじんだりぶれたりしちゃうらしいんですが、大気のせいでどのくらいぶれができているかを分析してそのぶれを打ち消すように細かいセンサーのついた鏡を1秒間に1000回もベコベコ凹凸させることで見違えるほどキレイな写真が撮れちゃうそうです。
最初に考えた人はエライ!
現在はその技術が応用されて、眼底検査のときに水晶体の奥の毛細血管をクリアに撮影することができるんだって。

講演会の後はプラネタリウムへ移動。
内容は夏の大三角の説明と映画「宇宙へ。」のダイジェスト版。
「宇宙へ。」をやってる劇場はちょっと遠いんだけど見てたら行きたくなったなぁ。
月着陸の映像が出て、有名な「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な飛躍である」というアームストロング船長の声も流れてじーんときちゃいました。

なんだかんだで夕方近くまでみっちり堪能できてなかなか楽しかったですよ。
機会があれば三鷹の国立天文台もいつか行ってみたいな。

|

« どうなる総選挙 | トップページ | タノシマナイトvol.7 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 国立天文台 岡山天体物理観測所 2009年特別公開:

« どうなる総選挙 | トップページ | タノシマナイトvol.7 »